惑星ラシェーラの真実 †
この項目は、第六紀の全てを理解した上で読んでください。
また、PS3版の大いなるネタバレのページです。
【要約】
ジェノムは遠い昔この星に住んでいた人達で、今の人間は遠い星シェーラからやってきた侵略者。
ジェノムは戦争を嫌い、侵略者にこの惑星を明け渡して魂だけの存在となりジェノムとして忍んでいた。
その後、太陽の膨張によって、人間とジェノムはこの危機を乗り越えるべく、協力するようになっていく。
だがその後事態は斜め上に進展、人々はこの惑星にやってきた方法(古代文明)を見つけてしまい、同じ方法で惑星を潰してそのエネルギーで脱出する方法を考案。
それで焦ったジェノムの長コーザルは作戦をかえて、自分は太陽ベゼルを正常化出来るから共にそれを成し遂げようと「セーブベゼル」を提唱し始めた。
かくして人々は「惑星を潰して逃げる」派と「太陽とこの星を護ろう」派にわかれ、その状態で試練の3年間へと突入していく。
第五紀以前、ラシェーラの住人はジェノムだった †
ジェノムと人間との付き合いは、もう遙か過去からのものだと思いこみがちだが、実際はさほど長くない。
なぜなら、ジェノムと人間の邂逅は、第5紀末期だからである。
その頃はジェノムも普通の人間と同じで、物理的な身体を持った存在だった。
ジェノムと人間との出逢いはとても悲劇的だった。
なぜなら、侵略によって邂逅したからである。
現在ラシェーラに住む人々(シェール)は元々他の星の住人であり、その星が住めない星になってしまったために脱出してきた。
そしてこの惑星ラシェーラを見つけ、侵略したのである。
ラシェーラを囲むリングとネロの真実 †
シェールはリングによってシャラノイア星に来た。
要するに、天文が提唱するグランフェニックス計画は、シェールがこの惑星に来たときの手法を再現しているに過ぎない。
天文は自らが作り出したと言っているが、実際はロストテクノロジーを解読して得た知識である。
それはジェノミライ研究所によって発見、解読された。
すなわち、シェールは惑星シェーラをマイクロクエーサーにして、そのエネルギーでこのシャラノイア星にやってきたのである。
その時、このリングを動かしてマイクロクエーサーを作り、更には惑星シャラノイアを見つけたのが、ネロである。
その後ネロは、通常の人間と同じくらいの寿命で死んでいるが、その魂は決して消滅することはない。
この世界では魂(H波の個体)は成長し、輪廻転生を繰り返す。
だが、ネロのように7次元先から波動変換をして連れてこられた魂は、当然この世界の魂の波形とは互換性がない。
彼女を入れる事が可能な人間体は、人工的に作らないと無いのである。
故にネロは、数千年もの間、転生も出来ず、自分の宇宙に戻ることも出来ず、ただ彷徨っていた。
それを再度肉体に入れ、復活させたのがジェノミライ研究所である。
研究所は、地下にあったロストテクノロジーの残骸から、7次元転移の具体的な方法を発見した。
もちろんそこにはクラケットの7次元理論という基盤があったからこそ、辛うじて理解できたのである。そうでなければ今でもオーパーツのままだろう。
だが結果は技術不足で、ネロは苦しい思いをした。
また、当然ながらネロは、再度同じ事(惑星消滅&転移)をしようとは思わないし、それより自分の世界に返せと迫った。
だから、天文はネロを諦めた。
そしてイオンである。イオンもネロと同じく、ずっとイオンでいる宿命を持った存在なのだ。
(そういう意味でも「神」だね。永遠に生き続けるという点で)
侵略戦争の果てに †
この星は、元々「シャラノイア」という星だった。そしてそこに住む人々の事を「シャール」と呼んでいた。
すなわちジェノム=元シャールという表現をする事が出来る。
そして「ラ・シェーラ」という名前は、侵略者が元いた惑星「シェーラ」の新しいもの、すなわち「新・シェーラ」という意味である(NewYorkみたいな)。
故に、ラシェーラの人の事を「シェール」と呼ぶ。
シャールは、争い事を好まない人達であった。
というのも、第五紀ともなると、そこに住まう生命の質は格段に上がっており、人々は心を通わせて争い事を好まない、調和の取れた世界になっているためである。
そこに来たシェールは、この世界の人々を皆殺しにし、自らの住処を確保した。
彼らは、自らにとって不利益となる知的生命の全てを排除する計画であった。
それに対しシャールは、最初は応戦していたものの、彼らに抵抗するほどこの惑星が傷つく事を辛く思うようになり、一時撤退を決断する。
だが、彼らの「一時撤退」作戦は、決してこの星を離れる事でも、降伏することでもなかった。
彼らはシェールの特性をトコトンまで調べ上げ、彼らが絶対に気づかない方法によって隠れ潜む事に成功。
シャールは自らの三次元ボディを手放し、身近な動物…それも、シェールが生かすことを決めた種と完全同調をし、潜伏したのである。
それが、第6紀のジェノムに繋がる。
この計画を推進、実行したのは、第5紀当時、シャールの賢者(大老)であったCOSAL(コーザル)である。
第6期における共存 †
シェールはこの星を勝ち取った。そしてシャールは滅びた。
この時から、この惑星は第6紀となり、シャラノイアからラシェーラへと名前も変わった。
シェールは、最初のうちはこの惑星でそこそこ暮らしていたが、すぐにまた争うようになった。
また、この新しい惑星になじめない様々な特性により、弱い者から淘汰された。
そして何度も火種を作り、殺し合い、次第に文明は衰退していった。
ある程度の衰退を迎えたとき、シェールは今まで気づかなかった存在が身のまわりにいることに気がついた。
それが「ジェノム」との初邂逅だった。
この頃既にシェールは、大昔、この星の住人だったシャールと戦争をしたことなど、誰も覚えていなかった。
この時代(侵略から1~2千年後)に「ジェノム」という存在を、シェールの前にお披露目したのは、やはりコーザルだった。
というより、彼の一時撤退作戦はこの時まだ続いていたのである。
コーザルは、シェールがシャールの事を忘れるまで待ったのだ。そして、誰の記憶からも消え去ったこの時、シェールの前に姿を現すように仕組んだ。
それによって、シェールはシャールを「ジェノムという不思議な存在」として発見するに至った。
ジェノムはシェールと同調することで、シェールの潜在能力を活性化させた。
シェールにとっては、体力を使われたり、時には支配されてしまう厄介な存在だったが、それ以上のその「力」に魅了された。
「力」が全てのシェールにとって、ジェノムが必須となる社会に転換するのには、さして時間はかからなかった。
こうして、シェール(人間)とジェノムとの蜜月が始まったのである。
コーザルの想い †
コーザルは決して、シェールと仲睦まじくラブラブする為にジェノムのお披露目をしたわけではない。
もちろん表面上はそう見えるようにしていたが、その裏側ではシャール復権の為に手を施していた。
ただ、既に何度か輪廻転生を繰り返している普通のジェノムにとっては、そんな事は知るよしも無い。
ジェノムとして、人間と仲睦まじく暮らしていた。
コーザルが行っていたのは、シェールの魂のレベルのランクアップを加速させることだった。
その為に、シェールよりも高位の存在であるジェノムを精神に住まわせ、内側から成長させようとしたのだ。
この行動はゆるやかに、しかし確実に実になっていた。
まず1つめは、人間がジェノムと対話することによって、徳が積まれていた。
人々は、昔に比べて遙かに平和的で文化的になり、隣人を愛するようになった。
だが、そう簡単に目標に達することはない。
コーザルは試験的に数体の人間型ジェノムであるヒトガタを入れてみたところ、やはり人々はヒトガタを排除した。
人々の魂のレベルはまだまだ低かったのである。
コーザルは、人々の魂を昇華させるのに数千年単位の時間がかかることを覚悟せざるを得なかった。
だが、シャール達がこの星のちゃんとした生命として返り咲けるように、コーザルは努力した。
太陽ベゼル膨張の真実 †
しかし、それよりも早くに終焉は訪れる。太陽ベゼルが徐々に膨張してきていたのである。
最初のうちは、少し強い太陽風が地表に降り、ちょっとした自然現象がある程度であったが、試練の3年間の数百年前くらいになってくると
その猛威は増し、地表の一部が自然発火するようになってきた。
人々はそれに対応するために様々な策を練ったが、抜本的な改革案が出る事は無く、人が住める場所は徐々に減っていくことになる。
この太陽の膨張は、ネロがこの星の中に魂として紛れ込んでいる為である。
それによって、この「宇宙世界」のウェイトバランスが崩れており、6次元的な谷間がこのラシェーラに発生し、周囲の様々なものを引き寄せているのだ。
中でも特に、太陽は近場にあってエネルギーも高いため、目立ってそれが見えているだけなのである。
しかしこの時期、人々もジェノムも、その原因については分かっていなかった。
この星に移住したラシェーラの古代文明そのものも、この事については分かっていなかった。
その為、人々もジェノムも、これは太陽の寿命なのだと思い込んでいた。
だが、コーザルだけは早々にその真実に気づくことになる。
コーザルはこの時、既に惑星の意志一歩手前にまで魂のレベルが上がっていたので、星の苦しみと、その対処方法は有る程度分かっていた。
それは、想いの力によって癒せるのだと。
コーザルはもちろん、ジェノム達も人々より1ランク上の生命である。その為、人々には出来ない、想いの力を魔法にする方法を会得している。
その原理はミクロからマクロまで同じであり、すなわち想いの波動の欠損こそが老化と死に繋がるということも感覚で知っていた。
ジェノム達にとって、これは常識であった。
そしてコーザルは、現在のベゼルが正常な寿命ではなく、例えるならば病気のような状態で終焉に向かっているということがわかる。
太陽からの想いを感じ取ることができるからである。
そこから、異世界の魂の混入による「世界の重さの偏り」が発生している事を感じ取ったのだ。
しかし人間はそれがわからない。
コーザルは、この星が助かる唯一の方法が、ネロという存在を遠くに追いやることであると知っていた。
故にコーザルは、ネロの魂に対して今起こっていることを告げ、人々と共にこの星から移動するよう促した。
そしてコーザルは、時の皇帝に移民船を作り脱出するように助言した。
かくして「帝立ジェノメトリクス同調調停院」の下で、箱舟計画は進行することとなった。
ロストテクノロジーの悪夢 †
コーザルは箱舟でシェール(人々)をこの星から追い出そうとしていた。
要するに箱舟はゴキブリホイホイで、コーザルはシェール全員がこの中に嬉々として入ったら、そのまま宇宙の果てまで連れて行って破棄する予定だった。
だから、箱舟はコーザルにしかコントロール出来ないような設計になっているのである。
そうすれば、ネロと人々は共に去り、またシャールの為の世界を築くことができる。
この惑星を取り戻すことが出来るのだ。
コーザルは箱舟計画を推進しようとしたとき、当時の皇帝を通じて様々なテクノロジを伝授した。
そのテクノロジを実用化するために帝政が発足させたのが、帝立天文学量子波動学研究所、俗に言う天文である。
天文の研究成果は目覚ましく、クラケットの発明したG2管が、箱舟をぐっと現実的なものにした。
だが、後一歩というところで、コーザルの計画は暗礁に乗り上げた。
それは天文側が発見した「地下遺跡」が原因だった。
そこには、太古のシェールが残したロストテクノロジーが、今だ稼働可能な状態で残っていたのである。
そのロストテクノロジーとはまさに、この星にシェールが移動してきたときに使った装置「グランフェニックス」だった。
時の帝国は、この発見を重大な機密事項とし、厳重に管理した。
そして天文でも地文でもない第三の機関「ジェノミライ研究所」を創設、その「グランフェニックス」の調査に当たらせた。
その時代、実際天文も地文も、箱舟計画発足から数十年が経過しており、かなり疲弊していた。
また、民衆の不信感も大きくなっており、箱舟計画自体がかなり疑問視されるようになっていたのだ。
ジェノミライ発足当初、実は天文のみならず地文ですら「グランフェニックス」に大いなる期待を寄せていた。
だが、解明を進めるにつれて、地文はその期待を反対へと変えていく。
当然そこにはコーザルの精神操作があったことは言うまでもない。
グランフェニックスを推進するか否かで、天文と地文は真っ向から対立し、事実上両者は分離。
ジェノミライ研究所は、天文地文双方の同意の元での運営が前提であったため、その後しばらく中を浮いた後に解散させられた。
しかし、研究所の成果と更なる継続は、天文によって引き継がれることとなる。
影では暴かれていた真実 †
その後、シェルノトロンの普及により、人々はジェノムの「洗脳」から解き放されつつあった。
イオン達が挑む、最後の「皇位継承の儀」が行われた時期は、まさにそのゆらぎが最大になった頃であった。
というのも、ジェノムと同調をしなくなった科学者が、この世界についてようやくまともな研究を始めたからである。
その第一人者といえば、次元航行論を打ち立てたクラケット博士だろう。博士はトロンの生みの親でもある。
天文がグランフェニックス計画を推進するようになるきっかけには、ネロと古代文明の発見がある。
そして、この発見からまもなく、天文の一部の科学者によって、太陽膨張がネロによって引き起こされていることを知ることになる。
しかし、この時期既にシェルノトロンが全世界に普及しており、今更ネロを元の世界に戻すことなど不可能であった。
それはすなわち、天文の権力が完全に失墜することに他ならず、決してそんな事は許されないことであった。
天文は、ネロをこの惑星に捨てて、人間だけで新たな惑星に移住する算段だったのである。それがグランフェニックス計画の真実。
しかも、グランフェニックス計画を必ず成功させるために、ネロとは違う、新たな7次元の魂を連れてくるという暴挙に出たのだ。
既に歪んでいることを知っていて尚、なぜ更に歪む様な事をするのか。
ネロにはラシェールフューザーを謳ってもらえないからである。ネロは既に過去に一度謳っており、その酷さやその後の辛さを全部知っている。
だから、協力は期待できない。それよりも、新しい魂に謳ってもらう方がよほど可能性が高い、というわけである。
この星がまだ生き延びようがそうでなかろうが、天文研究者にはどうでも良かった。
それより、太古のテクノロジーである「グランフェニックス(惑星間移動装置)」の方が、この星の未来に希望を託すより確実に、人類を救うことを確信して止まなかった。
なぜなら、自分たちの本当の母星であるシェーラから、このシャラノイアに確実に移り住めたという前例があるのだから。
箱舟計画中止と、惑星再生計画の提唱 †
天文が離脱したことで、箱舟計画は頓挫した。
地文だけではこの船を完成させることは出来ないためだ。
だが、コーザルにとってそれは必ずしも危機的状況ではなかった。既に次の策があったからだ。
コーザルは今まで、歴代皇帝専用のジェノムとして、皇帝としか同調しなかった。
だが、先代(イオンの一代前)の皇帝が任期途中でコーザルとの同調を解消し、シェルノトロンに転向したことで、コーザルはその時フリーだった。
地文が秘蔵っ子カノンを出してきて、カノンの声帯がコーザルに適応できる事を確認できたとき、コーザルはこれを利用して人々の心を掴むことが出来ると思った。
そして皇位継承の儀の10年ほど前のこと。
10年に1度と言われるガンマバーストが発生し、もはや大災害は避けられないと言われたときがあった。
その時なんと、まだ幼いカノンが、そのバーストを太陽表面で沈静化してしまったのである。
人々は本気で驚いた。そして、その後の地文の発表は更に人々を驚かせた。
「カノンとコーザルは、民衆の力を借りることで太陽の正常化を為し得るだろう」
地文は「セーブ・ベゼル」計画を発表し、人々に計画参加を求めた。
セーブ・ベゼル計画参加者は無条件で助かる。方法は、ジェノムと契約し、地文に在籍するだけ。
更に、今まで差別されていた声帯の潰れている人や、声は出せるが帯域が狭い人は、薬によって無償で広げるといった政策まで行った。
そしてカノンが皇帝になった暁には、皆でチェインして謳い、太陽ベゼルを正常化するというのである。
事実上の神の子の登場で、世界は真っ二つに割れた。当時は天文全盛だったが、助かりたいと思う人々中心に、地文への逆流が発生した。
その一年前にシェルノトロンが発表され、人々に浸透している最中の事だった為、人々は「今を大事にする人」と「惑星を救おうとする人」とに分かれた。
そしてそれから8年後、天文は遂に満を持して、隠し球を発表する。それがグランフェニックス計画であった。
天文はグランフェニックス計画と一緒に、1つ、地文に対する攻撃的な糾弾を行った。
それは、現在地文が推進するセーブ・ベゼル計画はとんだ茶番である、ということ。
有力関係者のリーク情報で、カノンの謳う詩によって人間の魂は抹消され、身体はジェノムに乗っ取られるというのだ。
すなわちそれは、ジェノムが人間を支配するための策であると。
こうした中で、実質「ジェノムと共にホシを護る」か「人間だけ別のホシへ逃げるか」の2択を決める儀式となる、
この星で最後の「皇位継承の儀」が開幕となった。