シャールとは「惑星シャラノイアの人類」の事であり、それはすなわち、ラシェーラ人が惑星シャラノイアを侵略し、
惑星ラシェーラと改名する前に住んでいた人々のことである。
温厚な性質を持ち、争い事を好まない。事実、ラシェーラ人が侵略をしてきたとき、シャール達は戦争をせず、身体を捨てることで身を潜めたくらいだ。
しかし第7紀において、シャールは大変深刻な存在である。
それは、シャールがなぜか航行中の箱舟の中に多数出現し、箱舟に乗っているラシェーラ人を襲っている為である。
なぜそんな事になっているのか、これから詳しく説明していこう。
第7紀のシャールは、惑星創成目的で人工的に作られている! †
第7紀におけるシャールは、自然発生したものではない。
それはジルとコーザルが結託し、イオンとプレイヤーに積極的に“産ませている”ものなのである。
コーザルは、第5紀において物質的な身体を失う原因となり、
更に第6紀においては自分たちの母星をも失う原因となった存在である、「シェール(ラシェーラ人)」を許すつもりはなかった。
さすがに堪忍袋の緒が切れたというか、惑星を潰されたときにさすがに方針を転換し、とにかくこれからは自らの生活を最優先にしようと考えた。
そして、今までのツケを請求するかの如く、ラシェーラ人を拘束し惑星創成の材料として使うことにしたのである。
実際にどのようにしてシャールが作られるのかを説明する。
シャールは、その生命力の全てを「外宇宙の物質」、すなわち我々の世界の地球の物質を元に得る。
例えば、オレンジ缶を7次元転送装置(パケットカプセル)に乗せる事が出来れば、アルノサージュ管はオレンジ缶の持つ物質エネルギー分を得る事が出来る。
その為には「オレンジ缶」の個体情報を明確にし、ターゲットして外宇宙にリンクする必要がある。その為にバーコードを用いる。
この、「物質からバーコードを取得し、物質をエネルギーに変換して外宇宙に押し出す」役割を持つシステムが、インターネット上に存在する。
それが「ジェノミライ・ドットコム」という、管理者不詳のWEBサイトである。
そして、ジェノミライのサーバーに搭載されている波動変換器によって、瞬時にラシェーラの宇宙レイヤへエネルギーとして具現化される。
ラシェーラ側ではエネルギーとして入り込む為、すぐにそのエネルギーは媒体主(ここではアルノサージュ管の精神世界主=嫁)の想いに感化される。
故にオレンジ缶のエネルギーは、イオンが(ジルに操作されて)無意識に、必要な存在である「シャール」の形をとる事になるのである。
シャールは現実世界でどのような存在なのか †
前項で説明したとおり、シャールとは、自分専用のボディを持ったジェノムのことである。
いわば「ヒトガタ」であり、要するにイオンとプレイヤーは、あの厄介な存在「ヒトガタ」を大量生産している事になる。
生身シャールの繁殖方法(このリンク参照)と照らし合わせて話していこう。
- シャールはジェノムから生まれる。→ 実際、箱舟(アルノサージュ管=プレイヤー)から生まれている。
- 親と子で形が違う事がある。その形は宿主の想いによって作られる。→ シャールはイオンにとって、強い想いがある。
- 子供を作るには相当なエネルギーが必要である。→ シャールは外宇宙の物質をエネルギー源として作られる。
- 出産には他のジェノムの遺伝子が必要である。→ アストロサイト・モジュラトリ・ウイルスにより、シェルノトロンと宿主の遺伝子による増殖を行える。
4に関してだけは、少し詳しく説明していく事にする。
アストロサイト・モジュラトリ・ウイルスとは、宿主自身をジェノムであると騙すウイルスである。
それにより、通常、ジェノムはジェノム同士でしか交配をしないところを騙し、宿主とジェノムで交配させる事が出来るようになる。
その結果、「宿主とジェノム」の組み合わせが一組存在するだけで、第三者的なジェノムがいなくても増殖を行える。
イオン(宿主)とアルノサージュ管(=プレイヤー)で具体的に解説すると、本来であればプレイヤーは他ジェノムがいなければ子供が産めないが、
ウイルスの影響により、宿主であるヒロインとの交配が可能になる。
そして、それによって生まれ続けているのが「シャール」である。
故にシャールは、現実世界においてもしっかり生きていると言える。
魔法によって動いているものとは違い、エミュレーションであれ、しっかりとした生命として機能しているものだ。
それが証拠に、ごくごく希ではあるが、ラシェーラ人とファーストハーモニクスを為し得て共にいるシャールも存在する。
更に、そこから更なる世代の子供までも誕生しているのだ。
シャールは現実世界で何をしているのか †
シャールはイオンとプレイヤーの間に出来た子供達である。
だが、現実世界に生まれた後は、普通にジェノムとして成長していく。
しかし、ジェノムはジェノムである。ジェノムはコーザルによって共通意識野で統制されており、コーザルの想い一つで本能が変わる。
そして、第七紀におけるジェノム(シャール)の本能は、「人間を材料にして惑星創成を推進すること」である。
その為に、シャールは年がら年中せっせと土や海を作ってきた。そして今でも作り続けている。
シャールはもう何年もかけて、惑星の構築を行ってきた。
元々箱舟は単なる鉄の塊であり、人々は内部に住み、外壁は当然宇宙に対し野ざらしであった。大気も無く人も住めない。
だがシャールは、時間かけて、人間のH波を使う事で、箱舟の外縁部から徐々に外壁に向かって土と海を満たしてきたのだ。
そして有機物をめまぐるしく活性化させ、堆積物により大地となる土を蓄積し、箱舟の表層にまで上ってきた。
何とも素晴らしい事ではないか!この機械の船を、半永久的なサイクルによる生存圏に変えたのだ!
……その材料として「人間」の生命力(H波)を使っていること、ただその事だけを除けば。
PS3版アルノサージュの舞台は、シャールが大地を創り始めてから数年が経過した頃の話である。
既に箱舟は有機的な水が取り巻く惑星となっており、緑生い茂る大地と暖かく輝く太陽ベゼルに包まれて、地上ではシャール達が気ままに暮らしている。
そして今でも地下(箱舟の船内)では、シャール達によって人々が水槽に入れられて、大地や海の糧となっているのだ。
それを防ぐ為にラシェーラ人は、シャールとの果てしない戦いに明け暮れている。
シャールはラシェーラ人を敵視していない。というか、シャールは闘争心や敵対心、嫉妬などとは無縁である。
それは、ジェノムが持つ本能である。シャールは悪意をもってラシェーラ人を大地の肥やしにしたわけではない。
ただひたすら、想いに忠実に動いていただけだ。
だから、ラシェーラ人側が心を許すのなら、比較的容易にシャールと仲良くなれる。
そして、結婚するのも、ジェノムとしてのファーストハーモニクスをするのも、かなりトントン拍子で上手く行く。
もう価値観が全然違うのである。
生まれたてのシャールは、とかく何も考えない。
だが、ラシェーラ人とジェノム契約をしたり、結婚して生活するようになると、シャールは賢く色んな事を覚えていく。
とはいえ性根は変わらない為、ラシェーラ人を肥やしにする事に罪悪感も無ければ、楽しんでいるわけでもない。
農業をするのに畑を耕すのと同じ感覚なのである。
もちろん、結婚相手や同調相手のラシェーラ人を肥やしにするほどバカではない。
それを逆手にとって、命惜しさにシャールと結婚や同調するラシェーラ人もいるほどである。