生活様式と科学技術

ラシェーラの科学傾向

科学技術が黎明の頃、人々は既にジェノムとのコンタクトを身につけていた。
そして、ジェノムから様々な技術を教えて貰う形で、人々の科学は発展していった。
故に、この世界の科学は、DNA文明(遺伝子演算文明)とも言うべき特殊な技術発展を遂げている。

地球の科学、とりわけ化学や工業が錬金術を発端として進展していったのと同じように、
この世界でも、生物学の錬金術とも言うべき分野が生まれ進展していった。
ラシェーラの遺伝子の性質は特殊で、それはジェノムという生命との持ちつ持たれつの関係が生み出した自然進化とも言われている。
すなわち、DNAの螺旋は互いに結びつき、離れ、自由自在に生物の成長を変化させるのである。

ラシェーラのDNA学の基本

DNA鎖が2本であるのは、2本で維持する事を指示する存在があるから、2本なのである。
その指示を行っているのはH波領域(精神、魂)であり、裏を返せばH波領域が3~12本で構成せよと指示を出したなら、次の瞬間DNA鎖は増える。
これはほぼ瞬時に行われる(全ての細胞核に一斉に指示が与えられる為。薬学的な現象とは全く違う)。
文明の初期には、これはジェノムとの同調(魂が繋がり想いが1つになる状態のこと)実験によってのみ、試行錯誤が行われていた。
それが第6紀中期には、人間は自らの手によって仮想的な魂を創り出す事に成功した。
具体的に言えば、人工的に創られた脳である。
これにより、文明は超的に飛躍した。

生活様式への影響

情報

情報の夜明けは、人工的に脳のような細胞を創り出す事が出来た時から始まった。
最初、情報は脳の電気信号に対し如何にしてインプット、アウトプットするかが命題であった。
最も初期に創られたものは、薬品によってインし、筋肉によってアウトするものだった。
だが、最新の技術ではDNAによってインアウトする。脳という器官がH波領域の送受信機である事を突き止めた為である。
同じくH波からの波動を元に動くDNAは、脳細胞からの個体認証信号(電気信号)を受け、同族認識をする。
(DNAは主に受信専用。送信バスもあるが、脳細胞に比べると使い物にならない程度)
その同族認識をした全てのDNAは、H波(魂)の指示通りの処理を行う。
これは、どれ程重厚長大であっても、電気信号の伝達速度をボトムとするスピードで伝達される。
その為、例えば10km以上離れた場所まで届く根っこがあれば、その10km先でもほぼ一瞬にしてDNA状態の変更が行われる。
DNAに何らかの情報を載せてH波に変化指示を出させれば、10km先にもその変化は瞬時にして伝わる。
すなわち、情報ハイウェイの確立である。

DNAに入っている情報は、生物学的取得、化学的取得の2種類によってアウトプット出来る。
生物学的取得とは、実際にそのDNA情報を元に遠隔地で何らかの細胞分裂を起こす(=建設)、もしくは筋肉運動をさせる(=動力機的なもの)といったもの、
化学的取得は、そのDNA鎖に結びつけられている配列パターンを解析しリスト化するものである。
それぞれの用途に応じて2つの手法は使い分けられるが、得てして生物学的取得の方が効率が良く反応も早い為、特に理由がない限りは生物学的取得を行う。
化学的取得が脚光を浴びるのは、情報が狭義の意味での「情報」すなわちメディアに活用されるようになってからである。

いわゆる「テレ(tele)」シリーズはラシェーラにも存在する。中でもテレビは帝国民にとっては大切な娯楽であるし、テレフォンは交流に欠かせない。
こうした情報は、ラシェーラではほぼ「有線」によって成される。それは主に根っこである。
だが、この根っこも単一の生命体が全世界にシナプスを送りDNA変異をさせ続けるのには無理がある。
それ故に、我々で言うところのインターネット的技術が発達した。
それは、根っこ同士の接触において、特定の植物の根っこがふれ合う事で、別の植物にもかかわらず情報が伝達されていくというものである。
これによって、例えば帝都の街路樹などは簡単に情報経路となりゆる。

現在最も進んだ情報機器として、「DH波脳像器」というものがある。これは20k~300kHz程度のH波を発するキューブを額やこめかみに当てると
頭の中にそのイメージが直で伝わるというもの。キューブの中には人工脳器とH波を増幅する液体が入っている。


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Last-modified: 2015-04-16 (木) 14:56:43 (3459d)