*カノンと地文 [#e2bf114b]

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**カノンの悩み [#ne600bc0]

カノンは、ジェノミライ研究所の跡地でウンドゥ・クインクウェイムが作ったウイルスを投与された「遺伝子操作生命体」である。
それは、人間とネロ(7次元の向こうから連れてこられた生命)の遺伝子をかけ合わせて作った、遺伝子操作の産物である。
ネロの遺伝子によって、カノンは超常的なまでにジェノムを操れるようになっている。

カノンは、その頃の事をどうしても調べたいと密かに思っていた。
地文の幹部達は、この件については全くのガセであると言い張っているが、
天文が地文にガサ入れをしたあの時、天文筋の情報を少し聞いてしまったのである。
「地文の皇女候補は純血ではないから、本来は皇帝になる資格など無い」と。
(その後この話は、地文が天文のジェノミライ解体に対して反論しない事を条件に、公には伏せられることとなった)
そして、それを裏付ける、二の腕内側にある「229」という数字とジェノミライのロゴ。
カノンはまさかと思いつつも、真偽を確かめるために、唯一監視無しフリーになれる試練の時に、この事の真偽を突き止める決意をしていた。


**ウンドゥ・クインクウェイム [#vfd02e29]
カノンを創り出したのは、地文の中でも「影の研究者」として表に出ることの無かった人物。
偽名で「ウンドゥ・クインクウェイム(ラテン語で12・5)」と名乗っていた。
ウンドゥは、1000万人に1人程度しか生まれないと言われる、天然のヒトガタ(人間型ジェノム)であった。
クインクウェは5であり、それは彼が5鎖ジェノムであることから付けた偽名。

ウンドゥは地文の幹部から地文救済策として、超的にジェノムとの同調を可能とする生命を要求されていた。
その回答として創りあげたのがドゥドゥ・ノエチウム、後のカノンであった。
カノンはgRNAウイルスα229というウイルスによって、超的な力を身につけた半ジェノムとなったのである。

ガサ入れの直前、ウンドゥはジルにこのgRNAウイルスのデータの全てを託している。



**カノンだけが知らなかった自らの真実 [#j547206c]

その表側では、カノンが「人間がジェノムになるための遺伝子操作は御法度」という法を堅く築いていた。
カノンは、自身が法を破っている張本人であることを知らず、それを厳しく取り締まった。
地文の重鎮達はそれを賛成していたが、全ては知っていた。
要するに、カノンだけがそれを知らずに生きてきて、舞台の上で踊らされていたのだ。




**カノン流れ [#p49fbbe4]
カノンがどうしても調べたいこと、というのは、自分は本当に地文の正当なる継承者なのか?ということ。
というのは、天文のガサ入れの時、とあるきっかけで「カノンは正当なる純血ではない」という事を小耳にはさんだためである。
地文幹部にその事を問いただしたが、全否定された。だが、それを今でも怪しんでいる。

というわけで、カノンは自分の出生の真実を知りたかった。
その結果知ったのは、自分が遺伝子操作によって作られた、人工の生命であること、そして正当なる皇位継承者の血を持つ者ではない、ということだった。
コーザルはそれを知っていて黙っていた。
その理由は、地文の作戦だった。

カノンはこれを知ることで2つのものを自分の中で失った。
1つは「皇位継承者としての資格」
1つは「プライド」



**カノンの持つタイムリミット [#r1396c3d]

カノンは、自らの想いを力に変える最大出力が、自分の物理ボディのキャパシティの遙か上なので、ボディがオーバーヒートする。
出力にもよるが、最悪、43度以上の高熱を出して身体が壊死し、自らも死んでしまう。


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